自律神経失調症を薬を使わずに改善する3つの方法とは?

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「何軒もの歯科医院へ行ったのですが、奥歯の痛みが全く治らないのです。」という女性の方が来られました。何軒も行っているのにもかかわらず、歯には原因が見つからないのです。話を聞くと、更年期障害ということで処方された薬の副作用で大変つらい思いをした上に、今度は自律神経失調症だと言われ、また薬が増えて不安で怖くてたまらないと言われます。

同じような不安を抱えている方は、たくさんいらっしゃいますよね。

でも、安心してください。

この方も結果的には、歯の痛みはすぐになくなり、自律神経失調症の症状も改善され、更年期だということであきらめていた症状までもが改善し、薬も飲む必要がなくなりました。

身体の中で一体何が起こっているのか?それを理解して、解決していくことで症状はなくなり、薬を飲む生活にさよならすることができるのです。

目次

1.  自律神経失調症とは?

我々人間は無意識に「普通の状態」を望んでいます。
これを難しい言葉で、ホメオスタシス(恒常性)とい言います。
以下、ウィキペディアからの抜粋です。

恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。生体恒常性とも言われる。恒常性の保たれる範囲は体温や血圧、体液の浸透圧やpHなどをはじめ病原微生物やウイルスといった異物(非自己)の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。恒常性が保たれるためにはこれらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用が存在しなければならない。この作用を主に司っているのが間脳視床下部であり、その指令の伝達網の役割を自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)が担っている。(Wikipediaより引用)

ということです。

見方を変えれば、自律神経失調症とは、我々の身体が普通の状態で無くなると、すぐに自律神経が働いてなんとか普通に戻そうと頑張ってくれているその状態ということです。

2. 自律神経失調症は病気ではありません

自分自身のために働いてくれている自律神経。しかし、まるで勝手に暴れているかのように、「調整機能を失くし手がつけられない状態」に自律神経失調症という名前がつけられたのです。

そもそも自律神経は自分自身ではコントロールできない神経だとされていますから、今更コントロールできないということを病気にしてしまうというのも、これ冷静に考えると何かおかしいとは思いませんか?

自律神経失調症は決して病気ではありません。

あなたの身体を普通の状態に戻そうとして、自律神経が無理に頑張り過ぎてしまった結果です。
自律神経に働いてもらいたくなければ、自律神経に無理をさせないようにする環境にすればいいのです。
つまり、意識して身体を普通にすればいいのです。

3. 自律神経失調症で処方される薬がしていること

自律神経失調症で処方される薬には下記のようなものがあります。

  • 自律神経調整剤
  • 自律神経末梢作用薬
  • 精神安定剤
  • 抗うつ剤
  • 抗不安薬
  • 睡眠導入剤
  • ビタミン剤
  • ホルモン剤
  • 漢方

これらの薬の役割は、自律神経が身体を普通に戻そうと頑張るその状態をなんとかしようと、いわば自律神経の仕事に対して否定的な効果を期待するものです。

そのため、その不快な状態を感じないようにしようとするものであったりはしても、身体を普通に戻そうとしているわけではありません。

例えば、ビルで火災が発生して火災報知器が鳴り響き、スプリンクラーから一斉に消火のための水が噴き出した。

しかし、その普通ではない時に、その状態を普通に戻す努力をするどころか、まさかの考えられないことをしているようなものなのです。

鳴り響く火災報知器が聞こえないように耳栓をしたり、会議室で傘をさしてスプリンクラーの水がかからないようにする人がいると思えば、廊下にある火災報知器をぶっ壊してしまったり、天井のスプリンクラーの水が出ないように穴をふさいでしまったり、究極には警報器の音や雑踏、水を気にしないで済むようにアイマスクをして耳栓をして寝袋に入って寝てしまうという、全く普通ではありえないことをしているのです。

そんなバカなことをするわけないと思っているでしょう。

しかし、実際にほぼ同じようなことが、皆さんの身体の中で起こっているのです。
いえ、起こしてしまっているのです。

普通に戻すどころか、どんどん普通の状態から遠ざけてしまっているのです。

4. 自律神経失調症を改善する方法

自律神経失調症を改善するには、自律神経が必要以上に働かなくてもいい環境を作り上げることです。自律神経は我々が生きていく上で、自覚なく身体を維持し続けてくれているという大切な役割を果たしています。身体が普通である時は、自律神経は無理なく働いています。しかし、普通ではなくなった時に、なんとか普通に戻そうと自律神経は頑張ってしまいます。

その普通ではない状態が問題なのです。
それが、身体のバランスの乱れた状態です。

身体のバランスが乱れると、自律神経はそのバランスの乱れた身体を支える指示を、全身に張り巡らせるのです。

しかし、実際に身体を支えるのは筋肉と骨格であり、これらには体性神経の働きが重要になります。体性神経は意識して働かせることのできる神経であり、それを理解するだけで、実は簡単に身体のバランスを整えることができます。

身体のバランスが整えば、自律神経が必要以上に働くこともなくなり、それに伴って自律神経失調症と言われている状態も改善していきます。

それでは、自律神経失調症を改善するための身体のバランスを整える3つの方法を紹介させていただきます。

1)    身体にスイッチを入れてボリュームを上げる

身体が本来の力を出せていない時、自分の身体を支えることさえ負担になってしまいます。つまり身体を支える筋肉がサボっている状態。このような時にも自律神経が働いて、何とか身体を維持しようと頑張ってしまいます。

とにかくしんどいとか、身体がだるいとか、何か気分がもやもやすぐれないとか、すぐにイライラしてしまうというような漠然とした症状の方にオススメです。

このタイプの人は、指の筋肉をうまく使えていません。

「いえ、デスクワークでいつもキーボードを使っています。」と皆さん言われますが、それは指先の筋肉だけで指先を動かしているだけです。

キーボードを打つ時に背中の筋肉や胸の筋肉を意識したことがありますか?

指を使うということもまた全身運動だということを確認できると、身体は一瞬で変わります。
手の指それぞれにありったけの力を入れてみましょう。
親指と人差し指、親指と中指、親指と薬指、親指と小指。

それぞれを押し付けあって、じわじわ力を入れていき、その力が前腕から肘をこえて上腕、そして肩をこえて背中と胸で挟み合う感覚を持てたらそれでスイッチON!です。

指の運動手の指のチェック

指だけではなく、これまで使っていなかった指に関連している身体の筋肉がこの瞬間から使えるようになります。

足はどうですか?
足の指もうまく使えている人はほとんどいません。

爪先立ちになった時に、多くの人は指が浮いています。

自分の身体を支えるために足の指を効率よく使ってください。

要領は手の指の時と同じです。指一本一本壁などを使って押し当てて、とにかく力を入れていくと、その力が足首をこえアキレス腱からふくらはぎ、太ももの裏を通りお尻の筋肉をこえ背中で感じることができたらスイッチON!です。

足の指先、手の指先から身体全体の筋肉や関節にスイッチが入れば、自分の身体を支えることなんて楽勝です。
自律神経に必要以上に働いてもらうことも無くなります。

2)    身体のバランスを整える

身体にはたくさんの筋肉や骨格、関節などのパーツがあり、それぞれにそのパーツの持つ役割があります。腕をあげるにはこの筋肉、膝を曲げるにはこの関節というふうに。

例えば、歩くという動作をするときに関わっている筋肉や関節などが、常にいつもきちんと自分の役割を果たしているかといえば、そんなことはありません。必ずサボっている筋肉や関節などのパーツがあるのです。そしてそのサボっている仕事は必ず他の筋肉やパーツに負担をかけるのです。

左右の足が、5:5で動くのが当然のところ、実際には6:4だったり8:2だったりしているのです。
当然、これは普通の状態ではありません。

ここに自律神経が関与してきます。

どちらかの肩がこる、膝が痛いなど、明らかに左右のバランスが悪いという自覚のある方にオススメです。
例えば右肩がとくにこるという人は、左の腕を回したり、左の肩甲骨を回したりしてみましょう。

肩甲骨を動かすIMG_0096

左の腰に痛みがあるという人は、右の股関節を回したり、右の足首を回したりしてみましょう。

股関節を動かす股関節を回す2

足首を回す2足首を回す

原因不明の痛みを感じている部分は、身体の中でも頑張ってくれている部分です。その部分に対する嫌な思いは間違っています。本来、感謝すべき部分なのです。

その感謝すべき部分がなぜ頑張らなければいけないのかをよく考えて、痛みのない部分を意識して動かすことで、身体のバランスが整い、自律神経が頑張らなくてもいい状態にすることができます。

3)    山折り健康法で効率よく身体を支える

しんどいし、身体もだるいし、頭痛や肩こりもあるけど、何もやる気が出ないから、スイッチとかバランスと言われても、考えるのが面倒くさい、というような人にはまずはこちらがオススメです。

山折り健康法Ⓡ
疲れた時、人は前かがみになり前傾姿勢になる。腰は曲がり、背中は丸まり、肩は落ち、うつ向き加減になる。また老化とともに筋肉が緩んでくることでも前傾姿勢になりやすい。
疲労による前傾姿勢加齢による前傾姿勢
そんな姿勢を正そうと、無意識に背中や頭頚部の筋肉に負担をかけ、その結果、頭痛や肩こり、背中の痛み、腰痛など、さまざまな症状が現れる。前傾姿勢は、実際には菱形筋や広背筋の緩みであるにも関わらず、その姿勢を頸部、腰部の伸展筋群を収縮させることで修正するという、実は間違った意識が働いてしまっている。
頭や背中を戻そうとする意識ではなく、背中を谷折りにするイメージを持つ。
背中を谷折り

いつでもどこでも簡単に、身体を山折りにするだけで、必要以上の自律神経の働きを抑えることができます。
スイッチON!やバランスリセットと合わせてやってみるのも効果的です。

5. まとめ

この記事のタイトルは自律神経失調症を薬を使わずに改善する方法ですが、実際には、自律神経失調症は薬を使っていては改善しないということをお伝えしたいのです。

自律神経失調症の症状だとされている身体が発信している様々なサインに対して応えるために、身体の知識を身につけるとともに、自律神経が無理をして働かないでいいような普通の身体にできるように、常にスイッチを入れて、身体のバランスを意識して、薬を飲まなくてもいい楽しい毎日を過ごせるようにしてください。

「痛みが和らいだ!」「いい情報だった!」と思われた方は、
ぜひご友人やご家族にも教えてあげてください。

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