ラグビーでよくある怪我4選  鍛え上げた筋肉に裏切られないようにするには?

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ラグビーはたいへん危険なスポーツです。

競技中は常に選手同士のぶつかり合いです。練習中のすりキズや打ち身などは当たり前。中には大怪我に発展することもありますが、そんなラグビーの大怪我について詳しく知っておけば早く復帰するための方法もわかってきます。

ラグビーに限らず激しいコンタクトスポーツをしている人ならば知っておきたい大怪我に関するトピックについて詳しく見ていきましょう。

目次

1.ラグビーでよくある大怪我

ラグビーは全身を使う競技であり、全身のどこでも大怪我をしてしまう可能性があります。

特に怪我が多いのが足です。例えば肉離れやアキレス腱断裂、足の骨折、靭帯断裂といった大怪我はラグビー選手には特に見られる怪我になっています。肩関節の脱臼や肋骨骨折も頻繁に起こります。

しかし、その中でも特に怖いのが、頚椎損傷でしょう。頚椎損傷になると最悪の場合、体が動かなくなることもあります。頚椎損傷をしてしまうとラグビー選手としてやっていくことを諦めなければいけないことはもちろん、通常の生活に支障をきたすこともあるほどで、気をつけておきたい怪我です。

1-1.頚椎ヘルニアとは?

頚椎は頭部を支えるとともに神経組織を保護しています。その7つの頚椎それぞれの間にクッションのような役割をしているのが椎間板です。頚椎ヘルニアはそんな椎間板の病気であり、ラグビーではよく見られる大怪我になっています。

ラグビーではタックルや頭からの突進などの椎間板に高負荷がかかる動作が多いですが、こういった動作によって椎間板が押しつぶされて隆起し、頚椎ヘルニアになります。頚椎ヘルニアになると激しい痛みを伴い、筋力低下や手のしびれなどが見られるようになります。

治療後も首に違和感が残ったり、動作がしにくく、といったようにその後のラグビー人生にも影響を与えてきます。また、治療のために長期間休まないといけないこともあるほどで、気をつけておきたい大怪我の一つです。

 

1-2.ラグビー選手にめずらしくないバーナー症候群

バーナー症候群もラグビーではよくある怪我の一つです。

バーナー症候群の原因は首に強い衝撃が加わることです。タックルをされて首に強い衝撃を受け、首の神経が伸ばされると、一時的に強い痛みやしびれを感じます。これがバーナー症候群です。まるでバーナーで焼かれているように感じることからこう呼ばれています。バーナー症候群の症状は一時的なことが多いために、特に治療は必要ないとされていますが、やはりその状態になる原因が身体に潜んでいることもあるので次回からのプレイにも注意が必要です。

バーナー症候群

頚椎ヘルニアもバーナー症候群も、直接的な原因は強い衝撃ですが、激しいスポーツをするためにはその衝撃に対応出来る身体づくりが必要です。そのための筋力トレーニングを積んで頭を支える強い筋肉をつくることはもちろん大切ですが、その鍛えた筋肉がいかにその衝撃の瞬間に裏切らずに働いてくれるか、ということは重要なポイントです。

筋肉に裏切られないようにするには常に体のバランスを整えることが重要です。

体のバランスを整える方法はこちらをごらんください

1-3.ポジションによって怪我も異なる

ラグビーではポジションによって怪我も異なってきます。

例えばフォワードの選手であれば腰痛や頚椎のトラブルに悩まされる人が特に多くなっています。また、タックルされる割合も高く、それだけ大怪我が多いポジションになっているのです。他にもフルバックも大怪我が多いポジションです。フルバックは位置的には安全そうに見えますが、試合ではトップスピードの相手にタックルをする場面が多くなるからです。統計的には、やはりフォワードの方が大怪我は多いと思いますが、バックスも敵チームの自分よりずっと大きなフォワードの突進を止めなければいけない場合もありますから、どのポジションも同じように怪我のリスクはあります。

 

ラグビーのポジションでケガが変わる

1-4.普段の練習でも起こる肉離れとは?

肉離れはラグビーだけでなく他のスポーツでもよく見られる大怪我です。

そもそも肉離れとは強い筋力を出した際に自分が出した筋力に耐えられずに筋肉が断裂を起こしてしまうことなのです。あれだけトレーニングをして鍛えているはずなのになぜ?と思われる方も多いと思います。それは筋力と筋肉の稼働力の違いを理解する必要があります。いくらトレーニングをして筋力を上げたところで、その最大筋力を常に発揮できる人はほとんどいません。また体のバランスの乱れている時には極端に筋肉の稼働力は下がっています。そんな時に無理をして強い力を出そうとすると「パチッ!」ってなってしまうのです。

肉離れを起こさないようにするには、やはり体のバランス整えて筋肉の稼働力を下げないようにすることです。

もし実際に肉離れをしたらすぐさまアイシングを行い、安静を保つことが大事です。痛みが引いてきたら温熱療法などを行っていきましょう。

肉離れにはアイシング

1-5.捻挫もよくある怪我

関節の可動域を超えてしまい、人体が損傷を起こすのが捻挫です。

捻挫はよくある怪我ですが、だからといって軽んじてはいけません。捻挫をほうっておくと悪化して他の病気に発展することもありますから気をつけましょう。また捻挫をしやすい部分は筋肉の稼働力が下がっている場合が多いということも知っておいてください。

捻挫をしたらテーピングをして幹部を固定して、関節への負担を下げる事が大事です。また、痛みが引いてもなるべく激しい運動をしないようにしておきましょう。

捻挫にはテーピング

 

2.なるべく大怪我を起こさないようにするためには

大怪我の予防に効果があるとされているのがコンタクト法です。

また、バーナー症候群などを防ぐためにも、プレー時にはあごをしっかりと引く、肩をすくめて固定する、といったような安全なプレー姿勢を身に付けることも大事なポイントになってきます。加えて、ラグビーではアメフトよりも防具が少ないですから、筋力トレーニングをしっかりして”筋肉の鎧”を身に着けていくことも大事でしょう。また、タックルされた際の受け身をしっかり身に付けるなどの予防も効果的です。

2-1.自分の体の限界を知る

怪我を少なくするためには、無理をし過ぎないようにする事も大事です。「疲れ」や「だるさ」という感覚も体からの注意信号だということを知っておきましょう。体にも限界がありますから、体のバランスが乱れている状態で練習しすぎると大怪我しやすくなります。大怪我をしてしまうとラグビーができなくなるだけでなく、日常生活にも支障をきたしますから、ケガ予防という観点からも、まずは準備運動で体のバランスを整えて、その上で練習や試合に臨むようにしましょう。

体の限界

2-2.グッズやテーピングも有効活用

サポーターなどのアイテムを活用していくことも大事です。

こういったアイテムを利用するだけで大きく大怪我をする確率を下げることができるだけでなく、プレー中のパフォーマンスも上げることができます。

テーピングやサポーターは物理的に筋肉や関節をサポートするだけではなく、実はそれらをしているという安心感がその筋肉の稼働力を上げるという役割もはたしています。

また、テーピングのやり方も是非ともマスターしておきたいものでしょう。テーピングを自分でできるようになっておけば大怪我の予防に役立つだけでなく、大怪我をした後のケアにも活用できます。

テーピング

 

3.もしも大怪我をしたら

大怪我をしたら何よりも安静にして完治を目指すことが大事です。

これは基本的なことですが、しっかりと治っていないのにラグビーの練習を開始するといった人は意外と多いものです。特にシーズン中に大怪我をしてしまうと「この機会を逃すと一生陽の目を見ないかも」と思って、大怪我をしているのに無理をして復帰するなんてことも増えてきます。とはいえ、こういったことは大変危険です。治療がしっかりと終わっていないのに無理に体を動かすと更に治療期間が長引くことになりかねません。

ラグビーの大怪我は症状が重いものが多いですから、しっかりと治していくことが大事だということはまず確認しておきましょう。

3-1.復帰を助ける栄養素

栄養をしっかりと取っていくことも早期復帰には欠かせません。

コラーゲンは真っ先にとっておきたいものでしょう。コラーゲンは関節などの組織を構成、強化してくれる栄養素で、捻挫や肉離れ、靭帯断裂などをした際には優先して取っておきたい栄養素になっています。コラーゲンを多く含む食品としてはうなぎや豚骨、などがあります。

他にも、カルシウムも役立つ栄養素です。カルシウムは骨を構成しますが、骨折など骨の大怪我の際には意識して摂取していきましょう。カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品から摂取できるほか、しらすやイクラなどの魚介類にも多く含まれています。

また、各種ビタミンも早期復帰には大事です。特にビタミンCは関節の再構築に役立つとされています。ビタミンCはストレス解消にも貢献してくれるので、療養中の苛々をなくすためにも良いでしょう。ビタミンCはレモンやいちごなどの野菜、果物に多く含まれています。こういったビタミン類はサプリメントとして摂取するのも良いでしょう。

栄養をしっかり摂る

3-2.体重管理には注意

栄養摂取が大事と書きましたが、療養中にはしっかりと体重管理をしておくことも大事です。体重管理をしておかないと復帰後に元のコンディションに戻すまでに時間がかかることになりかねません。そのためにも療養中の食事カロリーは徹底して管理しましょう。自分でするのが面倒であればコーチなどにお願いするのも良いでしょう。

体重管理

4.さいごに

私の友人も頚椎の損傷でラグビープレイヤーを引退しました。頭にボルトを埋め込んで体と固定している姿は痛々しく、強烈なイメージとして残っています。筋肉隆々でガタイもよく、首も不細工なくらい太く、どんなことがあっても周りの筋肉が首を守ってくれそうだったのに、やっちゃったんですよ。頚椎損傷。

日頃のトレーニングは筋力アップのためです。本番で活躍できるかは、筋力ではなく筋肉の稼働力です。この稼働力が下がっていれば、重たい頭を支えることもできず、鞭打ちになったり、頚椎損傷を起こしたり、大怪我につながってしまいます。

どれだけトレーニングをして、筋力アップしても、本番での筋肉の稼働力が低ければ、体は思うように動かず、怪我のリスクも上がります。

体のバランスを整えて、筋肉の稼働力をあげましょう。稼働力を上げて、精一杯のプレーをしましょう。

身体のバランスの整え方はこちら

また、肉離れの予防法はストレッチも大切ですが、その前にスイッチ入れないとダメです。スイッチ入れていない筋肉を無理やり使おうとすれば、筋肉の繊維がプチッ!と切れて肉離れです。

捻挫も関節の可動域がポイントになっていますが、実際には稼働域が重要で、これもまたスイッチ&ボリュームが適正に働いているかということです。

スイッチ&ボリュームが適正に働くかどうかは、これも身体のバランスを整えればいいのです。

「痛みが和らいだ!」「いい情報だった!」と思われた方は、
ぜひご友人やご家族にも教えてあげてください。

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