自律神経失調症とは?自律神経の働きから知る解消法

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自律神経

自律神経失調症は病気ではありません。
その文字で理解しようとするならば、自律神経が調整機能を失った状態、ということになります。
この状態を、一般的にも医療の中でも、「自律神経の乱れた状態」としています。
さらに自律神経を整える方法は、現状医療の中にはなく、生活習慣などによる改善を期待するしかありません。
不快な症状を感じているにもかかわらず、これといった解消方法が見つからないと、お困りの方も多いのではないでしょうか。
まず、自律神経失調症、そして、そもそもの自律神経の働きについて知ることで解消へのヒントが見えてきます。

まず自律神経失調症に関して調べてみましょう。

  • 世界大百科辞典の解説
    じりつしんけいしっちょうしょう【自律神経失調症 autonomic imbalance】
    生体は外界の環境や刺激に対応して自律神経を介して巧みな適応調節を行っているが,この適応に変調をきたし種々の自律神経症状が出現するようになったとき自律神経失調症と呼ばれる。通常はっきりした器質的疾患に伴う自律神経症状は除外され,本症は機能的異常であり,神経症の身体的表現としての不定愁訴症候群と理解されている。原因としては先天的素因のほか,種々の後天的要因があり,外傷,高熱性疾患,ショック,妊娠,分娩,慢性疾患などの身体的要因,幼児期のしつけ,成長後の教育,職業,家庭,自然環境などの精神的要因が関与している。
  • 大辞林の解説
    じりつしんけいしっちょうしょう【自律神経失調症】
    自律神経系の調節異常により現れると考えられる症候群。頭痛・肩凝り・立ちくらみ,便秘や下痢,動悸・冷え・発汗・のぼせなど。
  • ウィキペディアの解説
    自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう、英: Dysautonomia)とは、交感神経と副交感神経の2つから成り立つ自律神経系のバランスが崩れた場合に起こる症状の総称のことである。

このように自律神経失調症の解説に共通することは、自律神経の調整がうまくいかずに、自律神経のバランスが崩れたために発症した不定愁訴症候群ということで理解されているようです。
不定愁訴とは、見た目ではわからない、はっきりした症状以外の症状のことなのですが、もう少し詳しく調べてみましょう。
ウィキペディアの解説によると、不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えるが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指す。患者からの訴え(主訴)は強いが主観的で多岐にわたり、客観的所見に乏しいのが特徴。症状が安定しないため治療も難しく、周囲の理解も得られにくい。
身体表現性障害、軽症うつ病、気分変調症、 パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス反応、適応障害などの可能性が含まれる。 自律神経失調症と診断されることも多い、ということです。

あれ?自律神経失調症に戻ってしまいましたね。自律神経失調症は不定愁訴、不定愁訴は自律神経失調症ということみたいですね。要するに現代医学の中でも原因不明なのです。逆に言えば、原因のわからない症状を訴え続ける人たちは、医療の中では「自律神経失調症ですね。」と診断されてしまいます。
この診断されたのか、されていないのかよくわからない状態、みなさんこの状態に悩まされています。

でも、これ本当に病気なのでしょうか?

もう一度よく見てみると、imbalance(アンバランス)、自律神経の調整異常、自律神経系のバランスが崩れた場合に起こる症状、など、共通するポイントはバランスが悪いということ、そして調整ができないということのようですね。
そしてさらに調べていくと、現在の医療の中では、的確な治療法がないということです。
しかし、あきらめないでください。

キーワードは、「バランス」と「調整」です。

現状、医療の中では、自律神経のバランス、つまり交感神経と副交感神経のバランスを調整することができれば、不定愁訴や自律神経失調症は解消できる、ということになっています。
しかし、医療の中には、的確な治療法はない。
でも、大丈夫。
医療の中で治療法がないということをマイナスに捉えないでください。
治療法がないということは病気ではないということです。
たとえば、夫婦喧嘩は病院でなんとかなりますか?なるわけないですよね。しかし、その不定愁訴の原因は夫に対するイライラであったりする。
また、会社を解雇されて、自律神経失調症に陥ってしまった。
原因は明らかに、解雇です。しかし、この人はこの症状を会社に訴えるのではなく、病院へ行くのです。
病院で治療できるはずがありません。病気ではないのですから。
では、実際につらいこれらの症状をどう捉えればいいのか?ですよね。
ストレスを感じると、体にはさまざまな変化が起こります。急に力が入らなくなたり、気分がすぐれなくなったり、頭が痛くなったり、お腹が痛くなったり…。
これ実は、身体出力の変化によるものです。
身体出力とは、現状医療では考慮されていない、体の変化です。
簡単に言えば、元気な時とそうではない時。
間違いなく体は変化していますよね。でも現状、この変化が見過ごされているのです。
身体出力が低下すると、体を支えている筋力が低下したり、体のバランスが悪くなりことで、体は不安定になります。
この体の不安定な状態は、無駄に自律神経を働かせてしまいます。
バランスの悪くなった体を、自律神経は必死で支えようと頑張ってくれます。
そのために体には実際に極度に緊張した部分や、ゆるんだ部分が混在し、それに伴い、機能が亢進または低下して、本来の役割を果たせなくなる部分が出現し不快感を与えてしまいます。
これが自律神経失調症の正体です。

自律神経失調症は、身体出力が低下し、不安定になった体を自律神経が必死になって働いてくれている状態です。その状態を不快に思えば、それを不定愁訴と言います。
つまり、自律神経失調症も不定愁訴も、病気ではありません。
だから医療で治るわけがありません。
だって、病気ではないのですから。
では、実際にこのつらい状態をどのようにして改善すればいいのかお話します。
自律神経は、我々が生きていく上で大切なことを、24時間年がら年中、一時も休まずにしてくれています。心拍や呼吸、体温調整などがその大切なことです。
そしてまた、体に不具合が生じると、それを補正するのもまた自律神経の役割なのです。例えが、体が不安定になると、それを立て直すために必死で支えてくれます。
しかし、そのために体の一部を極度に緊張させ、結果的にその緊張部分に痛みが出ることがあります。その痛みは検査をしても異常として扱われません。
つまり、医学の中では原因不明とされている痛みです。
その痛みを伴う部分が、体を支え維持しているということなのです。
その時に主に働いてくれるのは交感神経です。
交感神経は、何かをしてくれる神経です。
交感神経は痛みを出そうとしているのではありません。筋肉など一部を緊張させて不安定な体を支えようとしてくれているのです。
状態の悪い時には、いつも何かをしてくれています。
見方を変えれば、交感神経が働いている時には体の状態は悪く、仕方のない副作用でさまざまな症状もあるようです。
それを漠然と見たときに、調子の悪い時にはいつも交感神経がいますよね、ってことになるのです。
だから交感神経は悪い神経とされてしまうのです。
逆に、副交感神経が人生の質を決める「良い奴」と言われているようです。
体のゆがみ、バランスを整えるためには、一瞬の交感神経の刺激が必要です。交感神経を一瞬働かせるだけで、カラダのバランスは整います。
実はこれ、多くの人が無意識にしていることなのです。

気合を入れたり、大声で叫んだり、体を無造作に動かしたりする俗に言うクセなんかも、実はその動作の一つです。
この時、副交感神経のことなど考える必要はありません。一瞬の交感神経の高まりが、自然に程よい副交感神経を導いてくれるからです。
そして、もうひとつのキーワード、「調整」。
自律神経を調整するとか、整えるとかよく言われていますけれど、自律神経は乱れているわけではありません。交感神経が過剰労働になっているだけです。
つまり、自律神経の状態をいい状態にするために必要なことは、交感神経に働かせすぎないことです。自律神経の調整ではなく、体の調整をすることです。
副交感神経のことなんて考えなくてもいいのです。副交感神経は穏やかに休息している時に働いてくれますが、体の異常を改善するときにはあまり役には立ちません。
体のバランスが悪い時には、多少の痛みを伴ったとしても積極的に交感神経に頑張ってもらって、ゆがみを改善してもらわなければなりません。このとき薬などで痛みを取ろうとしたり、副交感神経優位を意識しすぎると、かえって身体の感覚が敏感になり、逆に痛みが強くなったり、痛みの範囲が広がってしまったりします。
自律神経失調症とは、このように自分のカラダが自分自身を改善するために、自律神経を駆使して必死で頑張ってくれているときに、それをまるで言うことを聞かなくなった悪い奴にしてしまった、我々に対する注意、警告のようなものです。
病気ではありません。
カラダのことを理解して、カラダの声を聞いてください。
大切なことはカラダとのコミュニケーション。
自分自身とのコミュニケーションです。
しかし、もっと大切なことは、自律神経ばかりに頼っていないで、自分で不安定な体を改善すること。無駄に自律神経に仕事をあたえないことです。
その方法はまたお話します。

「痛みが和らいだ!」「いい情報だった!」と思われた方は、
ぜひご友人やご家族にも教えてあげてください。

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